ジモット人 INTERVIEW

ジモトを愛する方々にインタビューしました!

vol.05| 新岩城菓子舗  女将 徳植由美子さん、四代目 徳植健太さん、若女将 洋円さん

地域や商店街に見守られながら暮らすということ
新岩城菓子舗  女将 徳植由美子さん
四代目 徳植健太さん、若女将 洋円さん

昭和6年創業の「新岩城菓子舗」。どこか懐かしい空気感が漂う栄通り商店街に店を構えています。安心・安全で、「かわさき名産品」に認定されたオリジナルのお菓子づくりはもちろん、地域と積極的にかかわりをもち、さまざまな体験の場を提供したり、コミュニティづくりの拠点としての役割も担っています。「新岩城菓子舗」の女将と4代目、若女将にうかがいました。


 

「時の味」をコンセプトに地域に根ざした店づくりに邁進

― 最初に「新岩城菓子舗」の紹介をお願いします。

女将さん:
ここは、私の祖父が「和菓子で幸せを届けたい」と昭和6年に開業しました。2代目の父と母はがんばり屋さんで、寝る間を惜しんで和菓子づくりをする後ろ姿を見て私は育ちました。その後、父が若くして病を患ったことをきっかけに、3代目として店を継ぎました。けれど私は和菓子づくりの経験がなく、主人は銀行員でしたので、試行錯誤をしながら店を守ってきました。
今は、4代目となる息子の健太が中心となり店を切り盛りしています。健太は中野(東京都)にある和菓子屋さんで修業を積んで、職人として戻ってきました。「時の味」をテーマに季節感のあるお菓子を提供するのはもちろん、お客さまの生涯に寄り添い続けるお菓子をつくっています。


― 人気商品やおすすめ商品を教えてください。

女将さん:
「かわさき名産品」に認定された「朝焼きどら焼き」、「夢見の城もなか」、「川崎ポテト」に加え、「川崎とうふ」は定番商品として人気です。また季節限定の「ジャンボいちご大福」はリピーターさんの多い商品で、いちごの季節を楽しみに待ってくださっている方が多いんですよ。


― 「新岩城菓子舗」がある川崎の変化をどう感じていますか?

女将さん:
商店街にある店としては、ラゾーナの開業や駅前の開発には正直なところ危機感がありました。けれど、今はそれらの開発がなければ川崎の発展はなかったと思っています。それぞれに役割があるし、うちにしかない強みがあると信じています。
それは、お客さま一人ひとりとしっかり向き合えること、そしてお客さまとの繋がりです。最近は商店街を通る小学生が「行ってきます! ただいま!」って声をかけてくれたり、店に用意してあるお茶を「飲んでいいですか?」って気軽に寄ってくれる。それがうれしいし、私が目指すこの店の在り方なんです。

 

商売以上に地域とのかかわりを大切にしたい


― 地域との繋がりを大切にされている理由を教えてください。

女将さん:
私は和菓子屋の娘としてここに生まれ、家から一歩外に出ても「新岩城の由美子」とみんな知っている。それが当たり前だったんです。ところが、結婚を機に初めてこの街を出たら、家は畑の真ん中にポツンとあって、周りに知り合いはいない。主人は仕事に出てしまうから、昼間は誰とも口をきかないのが日常。それがとても異常なものに感じて、怖かったんです。
店を継ぐ決意をして、ここに戻ってきたときは安心しました。だから、この街で暮らす人たちが少しでもホッとできる、そんな拠り所にこの店がなれたらいいなと思うようになったんです。

 

― 具体的に何か活動をされていますか?

女将さん:
8年ほど前、私が発起人の一人として「ハッピーサークル」を立ち上げました。商店街の枠を超えて「自分達の街づくりは、自分達の手で」という思いで活動しています。例えば「街ゼミ」というプロジェクトでは、メンバーが、それぞれが専門とする分野の知識や技をお教えするんです。うちの店では親子で和菓子づくりをしてもらいました。他には、おいしいトンカツの作り方を教わったり、日本酒の飲み比べとか……。3.11後の計画停電のときは、街が真っ暗になってしまったのでキャンドルやランタンを灯して、通りを帰る方にお声がけをしたりもしました。
うちは和菓子屋ですが商品を売るのは二の次。いろんな体験をしてもらったり、何かあったときに寄ってもらえる、避難所のように覚えてもらえたらうれしいんです。

 

― 最近はサイクリスト(サイクリングをする人)の聖地としても話題だそうですね。

女将さん:
川崎の名所を巡る「川崎ライドサーカス」というイベントがきっかけなんです。休憩スポットとしてお手伝いしたら、SNSや口コミが広がって。今も週末には必ずと言っていいほどサイクリストが来てくれるので、冷たいお茶を用意しています。店の奥には自転車を10台停められるラックもあるんですよ。

 

四代目夫妻が思い描く「新岩城菓子舗」のこれから

― これからの「新岩城菓子店」を担うお二人のこだわりは?

若女将:
母の思いを受け継いで、地域密着型で日常会話ができる接客や店づくりを心がけています。そのために、お名前や好みを覚えたり、個人店に来てくださるお客さまは商品の説明やアドバイスを求められることも多いので、そんな時には楽しいコミュニケーションができたらと思っています。

4代目:
個人店だからできることがあると思うんです。例えば、昨年、新型コロナウイルスの影響で学校が一斉に休みになったとき、「和菓子屋がつくる焼きプリン」を発売しました。ステイホームの子どもたちのおやつとしてコンビニで買えるくらいの価格帯で売り出したら、お子さんはもちろん親御さんにも喜んでいただけたのがうれしかったですね。ほかには「朝焼きどら焼き」の皮を使ってコンテストをしたり、幸区盛り上げ隊から依頼を受けて「さいわいちゃん」の焼印を押した「にゃんどら」をつくったりもしています。小さくても自分たちのできることを考えて、楽しみながら地域とかかわっていきたいです。

― 今後の目標を教えてください。

4代目:
今、お客さまに喜んでいただいている商品はありますが、新名物になるような商品を作りたいですね。私たちは、いろいろなご縁に恵まれているので、きっと、いいものができるはず! まだ何も動き出していないのですが……、楽しみにしていただきたいです。


― 「JIMOTTO」とコラボレーションできそうなことはありますか?

4代目:
今すぐは難しいかもしれませんが、お子さんはもちろん幅広い世代の方に参加していただいて体験教室をしたいですね。一緒にお饅頭をつくって、思い出づくりができたらいいですね。

若女将:
JIMOTTOの繋がりで出張ができたらおもしろそう!

4代目:
難しい話をするのではなく、体験を通してコミュニケーションを深め、おいしい和菓子を媒体にしてコミュニティづくりのお手伝いができたらいいですね。
 

 
 
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