ジモット人 INTERVIEW

ジモトを愛する方々にインタビューしました!

vol.03| BLEND(ブレンド)代表 杉山 大輔さん

楽しみながらワクワクしながら地域発展のお手伝い
「混ざると良くなる」、「より良く混ぜたい」
BLEND(ブレンド)代表の杉山大輔さん

JR東海道線で横浜から約40分の場所にある「国府津」駅。海と山が近く、どこか緩やかな空気感が漂う地で活動する「BLEND(ブレンド)」。コワーキングスペース、貸切スタジオ、民泊などの運営や、それら施設を活用したイベントを主催するなど取り組みは多岐にわたります。

建設会社の課長という肩書ももつ代表の杉山大輔さんにBLENDの取り組みや西湘エリアの魅力についてうかがいました。国府津の街並みをバックに格好つけてください!なんて無茶なお願いにも照れながらも答えてくれる素敵な方です。

国府津の町の魅力を活かし、滞在できる場所に

― BLENDを立ち上げたきっかけから教えてください。

8年ほど前に小田原駅の方から国府津に移り住みました。海と山が近く、交通のアクセスも良いから、新しい働き方、合理性とかハードワークすることだけが基準にならないイイ働き方、そして新しい暮らし方ができる場所だと感じたんです。けれど実際は、昼間でも人通りは少なく静か。そこで、国府津に人が集まり、滞在してもうためにはどうしたらいいか考えるようになりました。

私自身は、瀬戸建設という会社に務める傍ら、異業種交流会を企画したり、クライミングジムをつくったり、「こんなことができたら楽しそう」と思うことを考えて動いていました。それと同時に、国府津では空き家が増えていたので、自ら空き家に交渉して、使用する目的や価値などを説明し、また一緒に荷物やゴミの片づけなどを続けていたところ、大事な資産(空き家)を再利用させてもらえることになりました。そして2020年1月、「BLEND」を立ち上げ、本格的に活動をスタートさせました。


― BLENDという名前にはどのような思いがあるのですか?

上手に合わさるとお互いの良さが引き立ちおいしさが際立つように、自然・人・町・商・事がお互いを尊重し、うまく雑ざることで新しいことが生まれ、楽しいことが始まっていきます。

なんでもかんでも混ぜると絵具と一緒で最後は黒くなってしまいます。地域を良くするためにうまく雑ざるといいなという思いから「BLEND」にしました。

― 具体的な取り組みを教えてください。

今は、5つの施設を運営しています。コワーキングスペース「BLEND-Coworking」、貸切スタジオ「BLEND-Studio」は、新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークのニーズが高まり、多くのお問い合わせをいただいています。


コワーキングスペース「BLEND-Coworking」


貸切スタジオ「BLEND-Studio」

民泊施設「SEE CABIN」は、オープン直後はヨーロッパを中心に18もの国々から問い合わせや予約がありましたが、今は国内の方が休暇やワーケーションで利用いただくことも多く、長期滞在されることもあります。


民泊施設「SEE CABIN」

ステージとスクリーンがある「PARK」では、イベントやマルシェなどをしています。


「PARK」

「POST」はその名の通り、元郵便局だった場所で、移転により空き家になると相談を受けたんです。郵便局は、古くから人と人とを繋ぐために欠かせない大切なものだったわけです。それで、大家さんと話し合い、「地域の人たちにとって良い場所になれば」と賛同していただき、このエリアには少ない鏡張りのレッスン場にしました。


「POST」

私自身は瀬戸建設の社員でもあり、家族も養わなければならないので、まずは自分のできる範囲でというのが原則。大家さんに家賃を払えるように、少しの利益があればと思って活動しています。施設をつくるときには、地元のものや端材を使ったり、DIYをしたり。いろいろな制限があるからこそ、知恵を絞ったり、工夫したり、今あるものを活かすように心がけています。

 

BLENDをきっかけに良い循環を生み出したい


― 地域の方々の反応はいかがですか?

活動を始めて1年ちょっとなので大きな反響があるわけではないですが、こうして取材していただく機会もあり「国府津が注目されてうれしい」と言っていただいたり、近隣のカフェやレストランを利用者さんに紹介しているので、「お客さんが来てくれた」と喜んでいただくこともあります。

特に小田原の自家焙煎コーヒー店「スズアコーヒー」さんは、「BLEND-Coworking」でコーヒー1杯100円(セルフサービス)で提供いただいたり、国府津のお惣菜カフェ「Osou31カフェ」さんは、BLENDの利用者さん限定割引をしてくれたり。コロナ禍で、売り先のホテルやレストランが閉店して困っていたイチゴ農家さんが無人販売をしたり。まだまだ小さなコミュニティですが、困りごとを一緒に解決したり、利益を生み出したり、地域の中で良い循環が生まれ始めています。

それに、地域の反応とはちょっと違うのですが、BLENDでできた繋がりや相談がきっかけで、本業の瀬戸建設の仕事に繋がることもあるんですよ!
 

― 今後のビジョンを教えてください。現在進んでいる計画はありますか?

まず今年(2021)の11月3日に「PARK」で、日本酒とポールダンスのイベントを準備しています。ちょっと大人な雰囲気で、箱根山の蔵元「井上酒造」さんのお酒を飲みながら、ポールダンスを楽しもうという企画です。意外すぎる組み合わせですが、それをおもしろがって協力してくださる方がいて、ワクワクしながら参加してくださる方がいるはありがたいことですね。
それと、築100年以上と思われる古民家を譲り受けたのでリノベーションを始めています。小田原市役所の支所が数箇所空くそうで、そのうちの2箇所の活用方法を考えているところです。


― 「JIMOTTO」とコラボレーションできそうなことはありますか?

例えば「PARK」でマルシェをするときに、「車との思い出」をテーマに画像を募集して、それを上映するのはどうですか? 最近は車離れが進んでいると言われますが、誰にも車にまつわる思い出はあるだろうし、身近なものだから共感しやすいと思うんです。「車ってイイな」っと思ってもらうきっかけになるかも。
それに車は完成されたものですが、それをあえて分解してみよう!とか。部品として見る車は、アートに通じるものがあるかも……。あとは、「野菜が似合う車No.1」を選出したり、「ルーミーにキャベツは何個のせられるか?」って実験をしてみるとか。みんなで一緒におもしろがれることを考えたいですよね。

 

絶景フォトスポット&独特の文化が根ざすエリア

― 最後に、BLENDの施設が点在する国府津の魅力を教えてください。

BLENDのInstagram(@blendseisho)でも紹介しているんですが、国府津駅から山側に登る道を進むと国府津ならではの絶景スポットがあります。桜の季節なら、手前に桜から順に、国府津の町並み、海が見えるんですが、町が海に浮かんでいるような、不思議できれいな風景を楽しんでいただけます。
西湘エリアに住む人たちは、単に利益だけを追求するのではなく、「楽しそう」、「おもしろそう」という気持ちで繋がることができて、フットワーク軽く手を組むことができる。楽しみながら地元を盛り上げようという気持ちを持っている人が多いのは、このエリアの魅力の一つだと思いますね。

 

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