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〈 横浜 〉

横浜生まれ横浜育ちの老舗海苔問屋『蔦金商店』

横浜駅から歩いて20分ほどの場所にある『横浜中央卸市場』。今回は、横浜中央卸市場に店舗を構える老舗の海苔問屋『蔦金商店』をご紹介します。テレビでご活躍されている芸能人のご実家であることも有名ですよね。

横浜市内で創業し、2024年で130年を迎える超老舗!

『蔦金商店』は、現在の社長 出川雄一郎さんの曽祖父、出川金蔵さんが川崎市内の乾物屋『蔦屋』で働いていたことに始まります。店名の“蔦金”は、川崎の乾物屋さん『蔦屋』の“蔦(つた)”と金蔵さんの“金”が由来なのだそう。 蔦金商店は始め、中区長者町にお店を構えていました。昭和6年に横浜市場が開場すると、当時2代目であった現社長の祖父が今のこの地に木造平屋の『蔦金商店 市場営業所』を建てました。その後、昭和42年に現在の自社ビルを建て、本店をこちらに移しました。自社ビルは4階建てで、中には倉庫や海苔を焼く工場も併設されています。元々ビルの4階部分はご家族の住居部だったそうで、社長は幼少期こちらで過ごされたそうです。
ーーここでちょっとこぼれ話。昭和6年開場の『横浜中央卸市場』は日本で3番目に古く、関東圏では1番古い市場!(あの“築地”よりも歴史は長いのです)歴史ある市場が神奈川県内にあるのって、何だか誇らしいですね。

蔦金商店倒産の危機!?苦楽を過ごしてきたからこそ、今がある

現在、5代目を務める出川社長が20代前半の頃、当時3代目をお務めだったお父様の時に経営難に陥り、倒産の危機が訪れました。出川社長は東京の海苔問屋で修行をしていましたが、急遽2年で修行を切り上げ、蔦金商店へ戻ることに。倒産危機のニュースは全国にあっという間に広がり、当時は大変ご苦労をされたようです。しかし、大勢の債務者の方々や多くのお客様に助けられ、今日まで一日たりともシャッターを閉めずに営業を続けています。大変だった当時、唯一手を差しのべてくれたのは、大森の海苔問屋さん。現在も変わらぬお付き合いを続けていらっしゃり、全国各地へ海苔の買い付けに訪れる際には同行される仲だそう!人との繋がりを大切にされている出川社長だからこそ、今の蔦金商店があるのですね。

海苔の産地は全国各地。直接、現地に調達へ!

蔦金商店で扱う海苔は、社員が各地へ直接出向き、実際に海苔を見て買い付けた代物。生産量の多い産地だと、1回の入札に並ぶ海苔は800〜1000種類と膨大な量とのこと…なかなか想像できませんね。きっと磯のいい香りが漂っていそうです。
今回、買い付けた海苔の倉庫を特別に見せていただきました。ずらーっと並ぶ大きなダンボールは産地ごとに分けられており、千葉県や佐賀県、兵庫県とたくさんあります。

ダンボール一箱に成形(タテ21xヨコ19が全国共通の形)された海苔が3600〜4200枚入っているそう!特別に覗かせていただくと…

ふわっと磯のいい香り。そしてすごい量‼︎
ダンボール内の海苔は「乾海苔」(産地で水分を5〜6%まで乾燥させたもの)で、みなさんが普段目にする海苔はほとんどが「焼き海苔」です。蔦金商店でも、この乾海苔を自社工場にて均等に焼き、店頭で販売をしています。

関東では珍しい乾海苔。自宅で炙りたても美味♪

先ほどご紹介した「乾海苔」。関東のスーパーなどではあまり見かけませんね。関西方面では乾海苔を使い海苔巻きを作ることがあるそうで、スーパーなどで販売していることもあるのだとか。蔦金商店では関東では珍しい「乾海苔」の販売も行っています。

一般のお客様の中には、乾海苔をお求めになる方も少なくないそう。
“焼きたての海苔は美味しい”と伺ったので、今回初チャレンジしてみました!
「乾海苔」は乾燥はしているけど、“パリパリ感のない海苔”といった印象。早速焼いていきます!ガスコンロの火を弱火にして、表裏を返すようにササっと焼いていきます。持ち手をチェンジしながら、全体的に炙るように…少しずつパリッとなってきました!最初に比べると色も鮮やかになってきた気がします。焼き方が難しく…少し焦がしてしまいました。焼きたての海苔は、よりパリっとした食感で、磯の香りと香ばしさが際立ちます◎ ご自宅にある焼き海苔も湿気てきたと感じたら、再度焼くことでパリッと感が復活するそうなのでお試しあれ!(今回、ガス火を弱火にして試してみましたが、強火で行う方法や、フライパンや電子レンジを使った方法もあるそうですよ)

全国各地の海苔や乾物、あの人気商品も!

店頭には、様々な産地の海苔が揃っていました。

1番人気は「きず焼のり」。有明産の海苔がパリッと美味しく、おにぎりや手巻き寿司にも最適です。ご家庭で普段使いするのにぴったり。同じ“有明産”でも、海苔の等級(海苔の見た目の色・艶や厚さなど)によって値段が変わります。上等なものは贈答品としてご購入される方も多いそうです。
『蔦金商店』と言ったら、この海苔を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

「元気のりのり」!こちらのシリーズは、焼き海苔・味付け海苔・わさび海苔と3種類。パッケージが目を引きますよね!横浜土産にも大人気なのだそうです。
また、成形した際にカットした端の海苔をパック詰めしたお得な商品もありました!

こちらは細切れの状態なので、ふりかけのようにご飯に直接かけてもいいですし、和風パスタや冷奴、お酒のおつまみに食べるのも美味しいですよ◎ 私は納豆と一緒にご飯でいただきましたが、絶品でした…!

先代が乾物屋さんにお勤めだったので、昆布や椎茸、お茶なども扱っています。店頭で一際目を引いたのが「鰹節」!削り節はよく見ますが、本節はなかなかお目にかかれない代物ですよね。本節を愛用されている一般のお客様もいらっしゃるとか。削りたてはさぞかし美味しいことでしょう…!

倒産の危機を乗り越え、今も海苔問屋を続けられているのは、周りの方の支えと足繁く通ってくださるお客様あってこそ。“日本で海苔が取れる間は海苔問屋を続けていきたい!”と出川社長はおっしゃっていました。出川社長には【ジモット人】でも詳しくお話を聞かせていただいたので、ぜひご覧ください!
【ジモット人vol16:蔦金商店 代表取締役 出川雄一郎さん】

美味しい海苔や乾物をお探しの際は、『蔦金商店』へ足を運んで見みてくださいね。

〒221-0052
神奈川県横浜市神奈川区栄町89−12
JR「横浜駅」より徒歩約14分
045-461-0361
7:00〜17:00
水・日曜・祭日定休
http://www.tsutakin.com/

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