お寺が多く、観光地としても人気の北鎌倉。駅を降りると、コーヒーを焙煎するいい香りに出会えることがあります。香りにつられてたどり着いたのが、今回ご紹介する『北鎌倉ベルタイム珈琲』です。

北鎌倉駅より歩いてすぐ、窓には“鎌倉蜂の巣珈琲”とも書いてありますね。聞き慣れない言葉…気になります！

“3代やって初めて地元のお店”

店内に入るとさらにいい香り。様々な産地のコーヒー豆が並んでいます。

元々は酒屋さんだったそうですが、35年前に珈琲屋をオープン。オープン当初は良い豆の仕入れ先を見つけられなかったり、品質も一定せず焙煎に気を使ったりと苦労も絶えなかったようです。その後、ベルタイム珈琲のコーヒーを飲んだ豆の卸の方から声がかかるようになり、15年ほど前から仕入れに苦労されることはなくなったそう。今では世界各地の豆やオーガニックの豆も取り扱っています。
ちなみに、北鎌倉では“3代やって初めて地元のお店”と認められるとのこと！北鎌倉という土地の歴史を感じますね。

低温でじっくりと、こだわりの焙煎法

店舗奥にある、焙煎スペースも見学させていただきました！
近年では、コンピューター制御で瞬く間に焙煎を行う焙煎機もあるそうですが、ベルタイム珈琲のご主人が使う焙煎機は炎の強さと豆の音を聞きながら排気で温度を調節するアナログなもの。

低温の直火で40分以上かけてじっくりと焙煎します。低温焙煎は、お茶や豆類を丁寧に炒りあげる際に用いられ、昔から日本に馴染み深い焙煎法です。低温で時間をかけて芯まで熱を通すことでコーヒー豆の細胞を壊さずに膨らまし、穏やかで繊細な味に仕上げます。焙煎された豆の断面図を顕微鏡で見ると、中が蜂の巣状に。これが“蜂の巣焙煎法”と言われる所以です。

炎の状態や豆の音を聞き逃せないので、ご主人は毎日焙煎機に付きっきりとのこと。出来上がったコーヒーは、胃腸にも負担の少ないまろやかな味わいになります。“和風特有の仕上げ”だそうですよ。煎りたてよりも一週間経ってからの方がよりコーヒーの味を楽しめるそうです。

低温焙煎のため、焙煎後にコーヒー豆からは多くのガスが出るのだそう。普通に袋に入れてしまうとガスでパンパンになってしまうので、袋には穴が空いていました。（真空パックにもできないそうです…！）購入後、2〜3ヶ月は美味しくいただけるそうですよ◎

まろやかでいてコクのある、風味豊かなコーヒー

数あるコーヒー豆の中で、今回は「ボリビア・ピーベリー」をいただきました♪

“ピーベリー”とは、1つの実の中に生豆となる種子が1つしか入っていない（通常は2つ）稀少なコーヒー豆のことです。豆も丸っこい形をしています。小粒ですが、風味は豊か。スッキリとした味わいの中にしっかりとしたコクもあり、とても飲みやすく美味しい。（個人的には、アイスコーヒーがおすすめです！より後味スッキリでいただけました♪）
低温でじっくりと焙煎されているので、よりまろやかでやさしく、リピーターが多いということにも納得の味でした。最近では、北鎌倉の飲食店でもこちらのコーヒーを味わえるお店があるようですよ。

産地の違いや焙煎度合い…好みの基準はあるにしても、果たしてどのコーヒー豆にしようか迷うことってありますよね。そんな時、ベルタイム珈琲では豆の食べ比べをさせていただけます。豆を味わいながら、淹れたコーヒーの味を想像してみるのもいいかもしれませんね。“試飲喫茶”（420円〜480円）もありますので、気になった銘柄は実際に味わってみてください♪
“7粒食べれば目もぱっちり！”眠気覚ましの「猫の目」という商品もありました！

お客様の顔を見て、商売をするということ

ベルタイム珈琲では、インターネットが普及し始めた当初よりホームページを立ち上げ、地元のみならず全国にリピーターの方がいらっしゃいます。ホームページやメール、FAX、電話での注文も多いそうですが、ご主人が最も大切にしていらっしゃるのは、やはり対面での販売。お客様の顔を見て、好みを聞いたり質問にお答えしたり、生のお話を大切にいるのだそう。“コロナ禍で人と会えなかった3年は辛かった”と、ご主人。北鎌倉という土地柄、全国の方が足を運ぶ場所なので、また様々な地域の方と会えることを楽しみにしているそうです。

また、昨年には新アイテムを導入。

“365日24時間休まず働いてくれます”とおっしゃっていました。お店の定休日や営業時間外でも、ベルタイム珈琲のコーヒーが手に取れるのは嬉しいですね。
和テイストの“蜂の巣焙煎珈琲”。そのやさしさと味わい深さに、一口飲めばきっと虜になってしまうでしょう。コーヒ−好きな方もそうでない方も、ぜひ一度お試しください♪