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〈 県西 〉

伝統ある酒造りを大切にしながら、新しい酒造りにチャレンジする『中沢酒造』

中沢酒造の創業は文政8年(1825年)。当時、酒造りに精を出す一方で、小田原藩の御用商人として大久保家に出入りしており、お酒を献上したところ藩主より「松美酉」の名を賜りました。“松”は蔵の横を流れる酒匂川沿いの松並木を、“美”は松田町の美しい風景とこの美酒を、“酉”は酒壷の形を表し、一文字で酒を表しているものと代々語り継がれています。

JR御殿場線松田駅から徒歩3分、駅のホームから蔵が見えるほど近く、アクセスも抜群です。門には立派な松が茂り、背後には松田山の緑が広がる、かつてこのあたりの庄屋であったことが伺える佇まいです。春には河津桜が松田山を一面ピンクに染めるそうです。

門をくぐって事務所になっている正面の屋敷に「こんにちはー!」と声をかけると蔵の方が出てきて、展示蔵のシャッターを開けてくれます。中は、見学の時に説明をしてくれるスペースと、お酒がずらりと並んでいる売店になっています。

中沢酒造の主なラインナップは、「松みどり」と「亮」。純米酒と生酒にこだわっている酒造りだからこそ、原料米、仕込み水も吟味し、”こびず、おごらず”素直な酒造りを心掛け、丁寧にじっくり時間をかけて醸しています。

「松みどり 純米酒 美山錦」は、「松みどり」の代表作。優しい飲み口と、穏やかだが広がりのある旨味があります。後口のキレも良く、冷や~燗まで美味しくいただけるお酒です。

「亮」シリーズは、中沢酒造次期蔵元 11代目鍵和田亮氏が松田山に咲く河津桜の花びらから酵母を見つけ、大吟醸のような酒造りをテーマに、低温でじっくりと発酵されたまろやかな味わいのお酒です。米も酵母も水もすべて神奈川県産にこだわっているそう。11代目が25歳の時に「亮」を世に送り出すにあたり、”酒と共に二人三脚で歩いていこう”と決意を固め自分の名前と同じ「亮」という酒銘をつけたそうです。河津桜の時期(2月頃)に出荷される限定酒。洋食にも合うので、特に若い方にオススメです!

もうひとつのおすすめは、日本で2番目に古い清酒酵母で醸された純米吟醸「S.tokyo」。
「S.tokyo」に使っている酵母は、なんと!1909年に発見された世界で2番目に古い清酒酵母です!過去に一度も日本酒造りに使われたことのない”幻の酵母”と呼ばれていたものを、試行錯誤の末に11代目がお酒に仕上げました。

「S.tokyo」の名はこの酵母の名前「Saccharomyces tokyo NAKAZAWA(サッカロマイセス トウキョウ ナカザワ)」から取ったもので、上品な甘味と爽やかな酸味の絶妙なバランスで、若者や女性、外国人の日本酒ビギナーの方が飲みやすいお酒です。しっかりと冷やしてワイングラスに注ぎ、お肉料理と一緒に召し上がって頂きたいとのこと。ボトルもスタイリッシュなデザインなので、洋食のテーブルセッティングにも似合いそうです!

中沢酒造からは松田山のハーブガーデンも近く、春には河津桜、冬にはイルミネーションがとてもキレイです。松田の町を散策しながら酒蔵を訪ねてみてはいかがでしょうか。蔵元の方にあれこれ聞きながらお酒を選ぶのも楽しいですよ!

〒258−0003
神奈川県足柄上郡松田町松田惣領1875
JR「松田駅」より徒歩3分
0465−82−0024
9:00~16:00
年中無休(年末年始を除く、不定休)
https://www.matsumidori.jp/
https://m.facebook.com/matsumidori1825/

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