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〈 南足柄市 〉
〈 県西 〉

地元で愛され、3代続く老舗の割烹料理店
「割烹わかふじ」

祝い事や家族の集まり、地域の会合など、さまざまな場面で利用されている割烹料理店。南足柄市には、3代にわたって暖簾をつなぐ老舗「割烹わかふじ」があります。地元の方はもちろん、企業や団体にも長く親しまれてきたお店です。今回は、その歩みや受け継がれてきた料理への思い、実際にいただいた懐石料理についてお話を伺いました。

初代の結婚をきっかけに南足柄へ。食堂から始まった「わかふじ」

初代は山梨県忍野村のご出身。もともとは東京の企業に勤めていましたが、奥様との結婚をきっかけに静岡県へ移り、その後、あるご縁から神奈川県へやって来たそうです。

神奈川へ移住した当初は給食センターに勤めていた初代ですが、ご夫婦で「何かやろう」と考え、昭和42年、南足柄市にある富士フィルムの西門近くに「食堂わかふじ」をオープンしました。その後、伊豆箱根鉄道の駅(富士フィルム前駅)のそばに宴会場をつくろうと、昭和52年に開いたのが現在の「割烹わかふじ」です。初代は88歳まで厨房に立ち、お客様に料理をふるまっていたそう。初代の奥様も、現在でも時々配膳を手伝っているとのことです。長くお店を支えてきたお二人の元気な姿が目に浮かびます。

 

2代目、そして3代目へ。厨房で受け継がれる家族の背中

現在お店を支えている2代目は、生まれも育ちも南足柄。初代の息子さんです。高校を卒業した18歳から本格的にお店に入りましたが、子どもの頃からすでに店を手伝っていたそうです。

「子どものころから、中学生だったか……配膳の手伝いなんかもしていましたよ」
そんな2代目の息子さんも現在25歳。すでに3代目として、2代目と一緒に「わかふじ」の厨房に立っています。2代目ご夫婦は「ここを継ぎなさい!」と言って育てたのではなく、「好きなことをしなさい」と伝えてきたのだとか。それでも、父の背中を見て育った息子さんは調理師学校へ進み、卒業後に「わかふじ」の厨房へ。現在はお造りやお寿司を中心に担当し、3代目が考案したメニューもあるそうです。

 

「手作りの料理で、おなかいっぱいに」初代から続く思い

「割烹わかふじ」が創業当時から大切にしているのは、「手作りの料理で、おなかいっぱいになって帰ってもらうこと」。その思いを2代目も受け継ぎ、料理はすべて手作りで作られています。
主に4,500円、5,500円のコースがよく選ばれているそう。ご予算に応じて、より贅沢なコースも用意されています。今回は、5,500円の懐石料理をいただきました。

 

先付けからデザートまで、手間を惜しまない9品

1品目|先付け

先付けに登場した「梅水晶」は、貴重なサメの軟骨を使った一品。さらに印象に残ったのが、ひき肉を細かくミキサーにかけ、初代の故郷・忍野村の卵でとじて蒸した料理です。初代考案という、パンにエビのすり身と胡麻をまぶして揚げた一品も、サクッと軽い食感で箸が進みます。

2・3品目|お造り・お寿司

お造りとお寿司を担当するのは3代目。魚は小田原の水産会社を通して、その時々の旬のおいしいものを仕入れているそうです。この日のお造りには三崎のマグロが登場。脂がしっかりとのり、口の中でとろけるようなおいしさでした。お寿司のネタはコースによって変わるそうです。

4品目|焼き物

焼き物は、2代目が2日間かけて漬け込む西京漬。この日はカレイの西京漬をホイルに包み、ワインで蒸し焼きにしたものでした。ホイルを開けた瞬間にふわっと広がる、香ばしい味噌の香り。思わず食欲をそそられます。

5品目|煮物

煮物は、3代目考案の季節限定「冷たい煮物」。オクラとナスの夏野菜に、香ばしく炙った太刀魚を添え、あおさのりのあんをかけた夏らしい一品です。

6・7品目|鍋物・天ぷら

鍋物も季節によって内容が変わります。この日はしゃぶしゃぶで、山形の和牛をさっと湯にくぐらせ、ポン酢でいただきました。肉の産地は仕入れによって異なり、県内の足柄牛や相州牛を使うこともあるそうですよ。
天ぷらは旬の野菜と魚介を揚げたてで。衣はサクッと軽く、熱々のうちにいただけるのもうれしいところです。

8・9品目|お食事・デザート

食事のお椀には、初代の故郷・忍野村のおそばが登場します。忍野村は名水の村として知られ、その水で作るおそばも名物。夏には期間限定でひやむぎが提供され、こちらものど越しがよく、おそばに負けないおいしさでした。
最後のデザートまで手作りです。この日は2代目が作ったパンナコッタ。しっかりとした甘みと、とろっとした食感で、おなかいっぱいのはずなのに、ついスプーンが進んでしまいました♪

 

個室や大広間も。「わかふじ」は地元の集まりの定番

「わかふじ」は、家族や親せきでの食事はもちろん、町内会や団体の会合など、地元のさまざまな集まりにも利用されています。取材に伺った日は、別の日に予定されている160人規模の集まりに向けて、2階の会場をセッティングしているところでした。1階にも2部屋あり、今回の取材ではその一室を使わせていただきました。

部屋で目を引いたのが、立派な2本の木。初代の故郷・忍野村からいただいたもので、横の木は「もみじ」、縦の木は「そろ」だそうです。「そろ」という呼び方は方言のようで、「シデ」の木のことなのだとか。来店する年配のお客様の中には、「立派ねー」と木に触れる方もいるそうです。料理だけでなく、こうした店の風景にも長い歴史を感じます。

常連のお客様からは「あの焼き物がおいしいのよね」「この間食べた焼き物をまた食べたい」といったリクエストが寄せられることも。ただ、使う食材や調理法は、その日の仕入れや旬に合わせて変わります。何が出てくるかは来店してからのお楽しみ♪2代目、3代目が手をかけて作る、その時ならではの料理を楽しんでみてくださいね。

 

2代目ご夫婦に聞いた、南足柄のいいところ

南足柄市の魅力を伺うと、2代目ご夫婦から返ってきたのは「山に囲まれ、自然豊かでのんびりしているところかな」という言葉。お二人は、自然災害が少ないと感じていることや、小田原まで電車1本で約30分という距離感も含め、「住みやすくていい街」と話してくれました♪

 

「わかふじ」の名前に込められた、ちょっと微笑ましい由来

最後に気になったのが、「わかふじ」という店名の由来です。初代ご夫婦が食堂をオープンするときにつけた名前だそうですが、その意味はなんと、「わかい二人が、ふじフィルムのそばで食堂を開く」から「わかふじ」。思いがけない由来に、思わず少しくすっとしてしまいました。
食堂から始まり、割烹料理店へ。そして今は3代目も厨房に立つ「割烹わかふじ」。手作りの料理でおなかいっぱいになってもらいたいという初代の思いとともに、南足柄で積み重ねてきた時間そのものが、このお店のあたたかさにつながっているように感じました。

この記事を書いたのは、茅ヶ崎市在住。2021年よりJIMOTTOに参加、西湘エリアを担当。『湘南暮らしの目線で見つける、神奈川の小さな幸せ♡子育てママみー』でした!

 

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〒250-0126
神奈川県南足柄市狩野81-3
0465-74-8782 または 0465-72-2345
10:00~21:00(完全予約制。予約は利用日前日の午前中まで)
定休日 月曜日
あり(店舗横 約25台)
席について:個室テーブル席(畳の部屋のため、入口で靴を脱いで利用)/貸し切り予約可能(100名~、人数は応相談)
送迎:マイクロバスの送迎可能(要予約/利用の詳細は店舗へ要問い合わせ)
可。お子様メニューあり(電話にて要問い合わせ)/キッズチェア(ベルトなし)あり/おむつ交換台なし

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