室町時代から400年以上も地元の方々に受け継がれてきた、『本牧神社 お馬流し』に行ってきました!

長い歴史の中、横浜・本牧を見守ってきた『本牧神社』で大切に受け継がれてきた神事「お馬流し」。
室町時代の永禄九年(1566年)から400年以上も地元の方々に受け継がれ、“ハマの奇祭”として神奈川県指定無形民俗文化財、および県民俗芸能五十選に指定されています。毎年8月上旬に現在も斎行され続け、郷土の祭りとして大切に保存されています。

今年で457回目を迎える「お馬流し」。今年は8月6日(土)、7日(日)に斎行されました。

「お馬流し」とは、茅で作った「お馬さま」と呼ばれる馬首亀体(首から上は馬で胴体は亀の形)に、本牧全町の厄災を託し、江戸期の様式を伝える木造祭礼船で東京湾の沖へ運び、放流する、本牧の夏を代表する祭礼行事です。「お馬さま」は“旧本牧六ヶ村”に因み、六体が奉納されます。


茅で作られた「お馬さま」

この「お馬流し」神事は2日間にわたって行われますが、お祭りを盛り上げるために、前日の夕方より「本牧ライトアッププロジェクト」が行われていました!

本牧地区のコミュニティハウスやケアプラザなどで作成材料が配布され、厄払いの願いを込めた手作りのペットボトルライトで本牧の街が彩られました。

とても華やかで素敵な光景が広がっていました!疫病退散という願いも込めて、5670本(コロナゼロ)を目標にしているそうです。

「お馬流し」1日目は、まず社殿に「お馬さま」をお迎えする「お馬迎え式」から始まります。「お馬さま」は、一列に並んだ氏子さんの頭上から頭上へと渡し継がれます。この時、決して目線より下げることはないそうです。


[写真提供:本牧神社・お馬流し保存会公式記録撮影班]

「お馬さま」が奉安されると、社殿で例祭が斎行され、13時~21時は社殿の「お馬さま」を拝観することができます。


[写真提供:本牧神社・お馬流し保存会公式記録撮影班]

続いて2日目。1日目の「お馬迎え式」同様、頭上奉戴の所作で「お馬送り式」が行われます。

神社を出発した六体の「お馬さま」は奉戴車で各町内を巡行され、それぞれの地域の厄災が「お馬さま」に乗り移ります。そして本牧漁港へ向かいます。漁港に到着した「お馬さま」は、再び頭上奉戴の所作で祭礼船へ。

船の手前で奉戴者6名は一旦止まり、最後は“せめ”と言われる駆け出しが行われます。


[写真提供:本牧神社・お馬流し保存会公式記録撮影班]

祭礼船は出航すると東京湾の沖まで進み、「お馬さま」は放流されます。


[写真提供:本牧神社・お馬流し保存会公式記録撮影班]
※本来は昔ながらの木造祭礼船が用いられますが、コロナ対策で漁船を借用して行われました。

一列に並んだ氏子さんの頭上から頭上へ、一人一人の手によって一歩一歩と渡し継がれる「お馬さま」。氏子の皆さんの姿はとても凛々しく素晴らしいものでした。真夏の炎天下の中、「お馬さま」に対する畏敬の念がとてもよく伝わります。この「お馬流し」が室町時代から続いていると思うと、本当に感慨深いものがありました。

また、お囃子や立派に露払いを務めている子どもたちの姿もとても微笑ましく、本牧の街が一体となってお祭りが行われていることに感動するばかりでした!是非、後世にも受け継がれていくべき神事だと思います。
両日とも夕方には、神社の境内で地元中学校の吹奏楽の演奏や、駐車場での3年振りの縁日が開催されて、とても賑わっていました。

毎年8月上旬に開催される本牧の伝統的なお祭り。是非一度、足を運んでみてくださいね。