犬や猫といったペットは、今や“ペット”という枠を超え、“大切な家族の一員”と考える方が増えています。大切な家族には健康に過ごしてほしいから、食事やおやつはおいしくて身体にもいいものをあげたいですよね。
今回ご紹介する『ハンターズギルド／DADトリーツ』では、丹沢山系の山々で狩猟した二ホンジカを犬用の無添加おやつ（ジャーキー）に加工・販売しています。自然の恵みをぎゅっと凝縮したジャーキーは、ワンちゃんたちにも大人気だそうですよ！

長年勤めた仕事を辞め、狩猟の道へ…

『ハンターズギルド／DADトリーツ』の代表が、自ら狩猟し、犬用ジャーキーを作り始めるきっかけとなったのは、大切な家族である2匹の愛犬の存在でした。
現在のお仕事を始める前から、2匹の愛犬に鹿肉を食べさせたいという想いがあったという代表。前職は“神奈川県警事務職員”、神奈川県内の警察署内で事務の仕事を35年間されていました。35年勤める中で、ふと今後を考えた時に変化を求める気持ちもあり…。ご自宅のお隣さんが山北町狩猟会に入っていたのを以前より知っていたので、「鹿肉を購入して、ジャーキーの販売でも始めてみようかな」と思いついたそう。タイミングよく、以前より縁のあった山北町の酒蔵『川西屋酒造店』の女将から「小田原のジビエ職人が蔵見学に来る」と教えていただき、ジビエ肉の購入ルートの繋がりもできました。その時、購入するのもいいけど自分でも獲ってみようかと、罠猟師になることを決意。それまでの事務職員という仕事から180度変わって、代表の第二の人生がスタートしました。

自然相手の仕事のため、忙しさは日々変化

狩猟を行う日は、朝6時半ごろからスタート。法令等により、罠を設置すると1日1回以上罠の見回りを行わなければならないため、まずは山北猟友会山北支部（山北町は支部が4つに分かれる）のエリアに仕込んであるご自身の罠を見回りに行きます。代表が行う狩猟は“くくり罠猟”というもので、円形や四角い箱を土に埋め込み、その箱を鹿や猪が踏むと蓋が落ち、踏んだ足にワイヤーが引っかかる仕組みです。獣が一歩動くごとにワイヤーがぐっと締まるので、抜けなくなり、逃げられなくなります。朝の見回りで罠にかかった獣を見つけたら仕留めるのですが、罠猟の猟師さんは銃を使わず、ナイフや槍、丈夫な樫木の棒を使って仕留めます。相手は人間よりも大きく力のある動物なので、怪我をしないよう万全の態勢で挑むそうです。
自然相手の狩猟なため、獣が罠にかかる日もあれば全くかからない日もあり、一日の過ごし方は毎日変わります。取材にお伺いした前後は罠にかかることがなく、「最近は獣が遠のいている感じです」と教えてくださいました。鹿や猪は嗅覚が鋭く、毎日同じ行動をとることも、毎日同じ道を歩くこともないそう。獣たちとの知恵比べですね。

自然の恵みを生かした無添加ジャーキー

『ハンターズギルド』の鹿肉ジャーキーは『DADトリーツ』という名で販売しています。（現在は犬用のみ）『DADトリーツ』には2つの意味があり、1つ目は“Dear All Dogs＝親愛なるワンちゃんたちへ”、もう1つは“Deer All Dogs＝鹿をすべてのワンちゃんに”というもの。ちなみに“トリーツ”とは、ワンちゃんのご褒美のことだそうです！

愛犬のために作り始めた鹿肉ジャーキーは、無添加にこだわって作られています。一般的に販売されているものは、鹿肉の様々な部位がミックスされていることが多いそうですが、DADトリーツの鹿肉ジャーキーは、犬の大きさや好みに合わせて選べるよう部位ごとでも販売されています。ネック、カタ、ロース、バラ、スネ、レバーやモモなど種類は様々です。またワンちゃん同士の交流にピッタリな名刺代わりの「ご挨拶ジャーキー」（「MIX」10g or 15g ×10袋）という商品も販売されています（インターネット販売限定）。

JIMOTTOスタッフが飼っているワンちゃんに早速あげてみました！
目の前で袋を開けてしまったのが間違い…。開けた瞬間に近寄ってきてクンクン♪ “おすわり”“待て”でプルプル震えてしまうほど「食べたいよー！」アピールがすごかったそうです。よっぽど香りもいいのでしょう！ジャーキーは固く見えますが、簡単に一口サイズに千切れる柔らかさで、シニア世代のワンちゃんにも安心。（JIMOTTOスタッフのワンちゃんは2024年2月で13歳）スタッフ曰く「とても食いつきがよく、目をキラキラさせて喜んでいました！」とのこと。

狩猟で仕留めた鹿肉をジャーキーにすると、元のお肉の7分の1の大きさになってしまうそうです！それだけ旨味が凝縮され、ワンちゃんが目をキラキラさせて喜んで噛み続けてしまうくらい、おいしいジャーキーに仕上がっています◎

DADトリーツの鹿肉ジャーキーは、事務所兼店舗での販売、インターネット販売の他に、小田原市東大友の上府中公園で開催されている月に1度のイベント『カミイチ（かみふなかクラフト市）』にも出店されています。こちらのイベントでは、クラフト作品の販売をはじめ、キッチンカーも多数出店。ワンちゃんを連れてお散歩しながら買い物を楽しむ方も多く、とても賑わうそうです♪ 駐車場もあるのでおすすめですよ。

カミイチ出店の様子

“山北町に来れば鹿肉が買える”ようになるのが今後の理想

現在は犬用の商品しか扱えていませんが、今後は食肉用の販売にも力を入れていきたいそうです。代表は生まれも育ちも山北町ですが、山北町の中でも鹿肉を食べたことがある方は少なく、町のお肉屋さんでもジビエ肉の販売はされていないそうです。松田町に『あしがらジビエ工房』という山北町を含む足柄上郡の5町が携わった加工施設があるので、そこを利用し販路を広め、どの地域で獲れた鹿肉かを明確にしてぜひ多くの方に食べてもらいたい、と今後の熱い想いも教えてくださいました。特別なことではなく、山北の子ども達が普通に「鹿肉食べたことあるよ！」って言える日が来たら嬉しいですね。

ご自身で狩猟し、自然の恵みをそのまま活かした、ワンちゃんのためのジャーキーを作る『ハンターズギルド／DADトリーツ』。小田原市 上府中公園で開催される『カミイチ』では直接代表ともお話ができそうですので、ワンちゃんのお散歩しながら訪れてみてくださいね。