大空を舞う大きな凧 体験レポート

2022.2.6 AM8:30

工程② | “小手縄巻き”と“糸目作り”

作業を再開!

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い一時中断していた大凧制作の作業が、2月に入り再開されました。5月の大凧祭りまで残り約3か月!これからどんな作業が行われるかわくわくしますね。
 今日の作業は“小手縄巻き”と“糸目作り”、大凧を支える“台作り”。今日もとても作業が盛りだくさんです!2月に入り一段と寒さが増してきましたが、皆さん朝早くから集まり、青空の下で作業を再開してきました。

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大凧の骨組みを作ります!

“小手縄巻き”は、前回の作業で伐った竹を組み合わせ、大凧の大きな骨組みを作る作業のこと。今回は、大凧の“タテ”の骨組みになるところを作っていきます。

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それぞれ決められた寸法を元に、竹を選定し組み合わせます。

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忘れてしまっていると作業が進まないので、長さや太さなど寸法、組み合わせを図面にして作ってきてくれた方がいました。お家を建てる際の図面みたいですね。

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真竹の太さはもちろん、先端のしなり具合も同じような竹を見つけ出し、選別します。そうしないと大凧全体を組み立て大空に飛ばす際に、いびつな形になってしまうからです。大凧は左右対称が基本です!寸法に合わせてべニア板に印をつけ、竹の根元が外を向くように置き、ガムテープで仮止めを行います。

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竹を組み合わせた時に、他の竹と合わさる部分と竹の中心に印を付け、いざ小手縄巻き作業のスタートです。

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上磯部地区では土台の上に竹を置き、竹をくるくる回し、縄を巻いていきます。他の地区では縄を回しながらつけるところもあるそうです。
使用する縄は“稲ワラ縄”です。

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この縄は、水に濡らしふやかすことで柔らかく巻きやすくなり、反対に乾くと締まる性質があるそうで、竹同士をしっかり固定してくれます。仮止めだけではなく小手縄巻きを行うことで、竹同士をしっかりと組み合わせ、竹を保護する機能もあるのだそうです。

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小手縄巻きの巻き方は2種類。縄と縄に間が空いている“荒巻”と、縄の隙間を作らず巻く“小巻”です。荒巻を用いるのは他の竹が重なるところなので、あまり厚みを出さないように工夫されています。

小手縄巻き作業の竹をくるくる回す役割に参加させていただきました…意外と竹がツルツル滑り、さらに握力も必要で、1本分を完成させるだけで私はギブアップしてしまいました。この作業をタテの分が9本、ヨコの分9本で18回繰り返します。(この日は配送をお願いしていた篠竹が間に合わず、タテ5本分の小手縄巻き作業で午前中は終了でした)

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凧と引き縄をつなぐ大切な糸

本日行う2つ目の作業、“糸目作り”。
2019年の台風の影響で相模川が大きな打撃を受け、凧に使用する材料も大きな被害を受けました。長年使い続けてきた、凧と引き縄をつなぐ“糸目”もその際に流されてしまい、その後2年間開催できなかったため、今年は新しい糸目を作ることになりました。
糸目は全部で43本、上磯部地区の大凧の1辺に相当する長さの約54m。1度作れば何年も使用できる丈夫な糸です。

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全てを同じ長さに合わせるため、メジャーで長さを図り、両端の地面に杭を打ちつけます。その杭に糸を掛けながら切り分けていくという単純作業ですが、何度も杭を行ったり来たり…なかなかに大変です。でも、これだけの本数がないと大きな凧も上がらないので、これもまた大切な作業ですね。

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43本、完成です!


大凧を支える何本もの竹

本日最後の作業は、大凧の骨組みを組んだ後に立てかけておく台を作成します。台と言っても凧が大きいので、それぞれの角や辺を支える“槍”のようなものを作ります。

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2年前に伐採したしっかりと水の抜けた竹を広場に広げ、虫に食われていないか、ヒビが入っていないかを確認します。どの部分の支えに使用するか選別し、それぞれの長さにカット。切り分けたらカニの爪・碇のような専用の金具を竹に取り付けていきます。

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大凧を支えることができるよう、竹にドリルで 2ヶ所穴をあけ、針金を通して専用の金具をしっかりと固定させます。

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針金が出たままだと危ないので、麻ひもを巻き付けて針金を隠します。

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皆さん本当に手先が器用で、きれいに針金を巻き麻ひもでしっかり隠す、お見事でした!

この日の作業はここまで。来週は、篠竹の小手縄巻きに竹割き作業…まだまだやることが目白押しです。引き続き、作業にお邪魔させていただきます!