大空を舞う大きな凧 体験レポート

2023.2.26

工程⑥ | 小手縄巻き&竹割き

2月最後の大凧作業!

少しずつ春の気配を感じ始めた2月の最終日曜日。前回の作業から持ち越しとなった3間凧用の小手縄巻きと、篠竹をさらに細く割く作業を行います。

3間凧用の小手縄巻き、ベテランの技に脱帽です!

今年の3間凧は、ちょうどよい真竹がとれなかったので、すべて篠竹で制作するそうです。(篠竹は事前に購入していました)前回の作業同様、竹をくるくる回して縄を巻き付けていきます。篠竹は真竹と違って軽く細いのですが、意外にも回すのが大変!今回は片側1名ずつ、竹が寄れてずれないように慎重に回していきますよ。

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前回の真竹の小手縄巻きでは、最後に縄を結う時に麻紐を使ってほどけないように固定していました。今回はベテランの方が縄を担当されていたのですが、他の道具も使用せず、藁の縄だけで上手に固定し、結んでいました。これも長年受け継がれてきた凧作り伝統の技!小手縄巻きを行いながら、数名の方がこの技を教えていただいていました。こうやって伝統は継承されていくのですね。
3間凧用の小手縄巻きもついに完成です!

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知恵が詰まったオリジナル竹割きマシンが登場!

竹割きは昨年の作業でも少しお伝えしました。ナタを使ってきれいに割くのですが、これがなかなか難しい…。今年は、オリジナルのマシンがお目見えしました!

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電動ノコギリを逆さに取り付け、竹を通して割いていきます。作業もさらにスピードアップしそうです!
本当に大凧作りにはたくさんの知恵が詰まっていると感じます。

いざ竹割き!

この日は、先ほどご紹介した“オリジナル竹割きマシン”といつも通りナタで割く2班に分かれて行いました。竹割きマシンは2人一組で行います。竹を通した際に出る竹くずから目を保護する観点から、眼鏡を付けている方が担当されていました。竹割きマシンを使うとあっという間!けがをしないよう注意を払って、どんどん割いていきます。

ナタで割く班では、ベテランの技が光っています!テンポよく、どんどん竹が細くなっていきました!

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ナタで手を怪我することが多いので、しっかり使い方を教えてもらいます。ナタは動かさず、竹を動かして割いていくのが基本です。

マシンやナタを使って割いた竹は“紙押さえ”と言って、大凧の骨格の間に入れる細かい竹です。紙貼りをした紙が風で抜けないよう“紙を押さえる”役目を果たします。
割いた竹は、まだ内側の節が残っている状態。このまま使用すると紙が破けてしまうこともあるそうなので、節も丁寧に取り除いていきます。

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ナタを使ってきれいに落としていきます!簡単そうに見えましたが、竹が細いので安定せず結構難しい…。

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出っ張りがなくなり、きれいになりました!
大凧が出来上がるまでは長い道のりですが、一つ一つの工程がとても大切なのだと改めて感じました。

この日は、テンポよく作業が進んだおかげで思ったよりも早く終了!今のところ大凧制作は順調に進んでいるそうです。気付けばもう3月、大凧まつりまで約2か月となりました。大凧制作も折り返しといったところですね。次回はどんな作業になるのでしょうか?お楽しみに―♪