大空を舞う大きな凧 体験レポート

2023.3.5・19

工程⑧ | 組み立て

大凧まつりまであと2か月!作業も大詰め!

3月に入り「相模の大凧まつり」まで残り2か月を切りました。3年ぶりのお祭り開催まであと少し、大凧制作の作業も折り返し地点です!今回の作業は凧の骨組みがお目見えしますよ!6間凧と3間凧の組み立て作業を行っていきます。

今まで作ってきた竹を組み合わせて“大凧”に仕上げる「組み立て」

昨年の竹伐りから始まり、寸法、小手縄巻きなど、竹を組み合わせてそれぞれのパーツを作ってきました。今回は、その竹を組み合わせて“大凧”の形に仕上げていきます。

まずは3間凧の組み立て!(3/5作業)
今年の3間凧は、前回の作業でもお伝えした通り篠竹で作ります。小手縄巻きをした際にどこに使用するのか目印を付けたので、まずはざっくりと形を作っていきます。

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3間凧でも広げてみると結構大きいですね!ざっくりと形を作ったら、竹の重さやしなり具合を見極め、凧の上下どちらに配置するかを決めていきます。中心を持って左右の重さを比べて、軽い方が凧が揚がったときに空を向く方、重い方が地面に近くなるように並べます。

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ここでもベテランの方々を中心に、技術継承を行いながら作業を進めていきます。
3間凧は、1辺が5m40cm。正方形になるように長さを測りながら行います。

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続いて6間凧を組み立てます(3/19作業)
6間凧は上磯部地区のメイン凧。昨年、竹伐りをして集めた真竹を使用します。小手縄巻で竹同士をつなぎ合わせているので、さらに大きいですね!しなり具合や重さを比べ、向きを合わせ、竹を仮置きしていきます。

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6間凧の大きさは、1辺が10m80cm。畳で表すと“72畳”もの大きさ!近くで見ると、骨組みだけで迫力があります!

針金と紐で固定し、風に負けない強い骨組みへ!

大空へ舞う凧なので、風の力に負けて壊れないよう強く固定することが大切です。ここで登場するのが、ドリルと針金。設計図を基につなげる場所や幅を測りながら、竹にドリルで穴をあけ、針金でしっかりと固定していきます。

針金をきつく巻き付ける作業は、力仕事で大変そう…!凧の枠となる部分は強く針金で固定し、針金がむき出しでケガをしたり和紙が破れたりしないように、上から麻紐で覆っていきます。細かいところまで丁寧なこだわりが感じられます。

大体の骨組みが出来上がったら、次はそれを支えるために間に竹を入れ、さらにつなぎ合わせていきます。この作業では針金は使わず、紐だけで行います。

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しっかりと縛らなければならないのですが、引っ張りすぎると…ブチっ!と紐が切れてしまうことも。慎重に作業を進めていきます。

骨組み完成まであと少し…紙押さえの竹を取り付け

大凧の骨組みが完成したら、間に紙押さえ用の竹を取り付けていきます。“紙押さえ”とは、大きな和紙が上空に揚がった際に風で破けてしまわないよう押さえておく竹のこと。(前回の作業で、紙押さえ用に篠竹を細く割いていました)この作業…本当に気が遠くなるほど細かい作業でした。

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先ほど作った骨組みの間に2つに割った篠竹を1本入れ、その間に均等になるようにさらに細く割いた篠竹を配置していきます。6間凧では縦横合わせて240本!使用する篠竹の長さはそれぞれ異なりますが、かなりの量です。配置できたら手作業で結んでいきます!!大変だ?!!皆さんで協力して、ひたすら結びました!(3間凧も同様に作りあげましたよ)

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“はこ結び” と“とっくり結び”

竹を縛る時の結び方は、技術継承されてきた “はこ結び” と“とっくり結び”を用います。
“はこ結び”は下に紐を回したら次は上…これを繰り返しながら固定して結んでいく方法。上から見ると四角い箱のようになっているのが特徴です。骨組みを固定するときに使っていました。

もう一つの “とっくり結び”は、短い紐でもしっかりと紐が固定され、ほどけにくい結び方。結び目の真ん中で紐がクロスしているのが特徴です。ベテランの方にお手本を見せていただき実践してみましたが…あれ?同じようにやったのに結べない…。何度も何度もチャレンジし、ようやく結べるようになりました。(結べるようになるまで約30分かかりました)
紙押さえの篠竹は、“とっくり結び”で結んでいます。

紙押さえを全て結び終えると…大凧の大きさ、形がはっきりわかるまでに!

[6間凧]

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[3間凧]

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頑張った成果が目に見えるので、とても達成感がありました!大凧まつり当日まで、この状態で保管するそうです。周りに線を張って凧を囲み、壊されないよう対策して「組み立て」作業は終了です。
段々と完成が近づいてきました!次の作業もお楽しみに~♪